一つの情報に固執しないことが大切
東日本大震災以来、住宅の安全性を重視して家選びをする人が急増しました。
特に都内においては近い将来南海トラフ巨大地震が起ることが予想されていることから、これから新たに入居もしくは購入する住宅の安全性は多くの人が気になっていることでしょう。
自然災害は地震発生時における揺れでの倒壊だけでなく、その後の津波の可能性、火災が起こった時の延焼、さらには倒壊を免れた場合の資産価値といったところまでを総合的に考えてリスク管理をしなければいけません。
気軽に移住ができ資産価値を気にする必要がない賃貸住宅ならばまだよいのですが、地震で購入をする物件の場合には十分に慎重に考えて選ぶ必要があります。
地震に強い物件を選ぶときに重要になるのが、「物件そのものの強度」「物件のある地盤の強さ」「信頼できる管理会社や施工業者」の3つのポイントです。
この3つのうちどれか一つだけを厳選して選んでも、本当に地震に強い物件を探すことはできません。
更に加えるなら「周辺にある防災組織・施設」や「保険加入」といったことも合わせて考えていくことでよりリスク管理がしやすくなります。
ですが実際に物件を選ぶときには誰しも潤沢な資金を用意することができるとは限りませんし、よい物件をぴったりのタイミングで見つけることも難しいでしょう。
更に地震に強ければ生活の利便性は犠牲になってもよいというわけにもいきません。
そのためできるだけ時間をかけるとともに、予算内で何を優先して選ぶかということを考えていく必要があります。
最初にチェックしておきたいポイント
しかしながら建築に関する知識は、日本一取得が難しい資格の一つとして挙げられる一級建築士による独占的業務範囲です。
全く建築に関する仕事や勉強をしてきていない素人が、いきなり優れた物件を見分けるということはできません。
そこで素人でも一定の目安としてチェックができるポイントを紹介していきます。
まず最初に物件選びの基準になるのが「築年数」です。
これは何年に作られたかにより、その建物に適合される建築基準法の内容が異なってくるからです。
建築基準法はこれまで技術の向上や安全基準の改訂により何度も改正されてきています。
中でも昭和56年（1981年）から施行された改正建築基準法はそれ以前までの内容を大幅に変更したもので、この年以前と以降とで建物の基本的な強度が大きく異なってきます。
次に気にしたいのが、その物件のある土地が以前どのような歴史的経緯で住宅地になったかということです。
基本的に地盤がしっかりしているのは古くから住宅地として使用されてきた高台で、都内ならば武蔵野台地など古くからの高級住宅街がある地域は信頼性が高いです。