まずは住宅に求める優先事項を決める
十分に住宅資金があり、一から設計に参加ができるという状況ならばともかく、分譲マンションや賃貸住宅に入居をする場合にはどうしても物件選びのどこかで妥協をしなければいけません。
特に1Rや1K~1DKくらいの一人用物件の場合には、狭い空間内にバス、トイレ、キッチンなど複数の住宅機能を入れないといけないので、全ての設備がくまなく快適ということはまずありません。
そして入居をする住宅では、その周辺の環境も大切です。
仮にかなり優秀な設計者が作った集合住宅で、設備がどれも非常に使いやすいものであったとしても、その周囲の治安が悪く安全に歩くことができないということでは理想の住宅とは言えないでしょう。
理想の住宅を探すときには、まず自分はその家に住むにあたってどういった点を重視するかということをまとめ、その項目の中からどこに住むのがベストかという絞込をしていくようにしましょう。
不動産屋を訪問する前に自分が重視している点をあらかじめはっきりさせておくと、より自分の理想に近い物件を紹介してくれる可能性が高くなります。
条件が気に入らない場合は交渉することもできます
自己所有のための物件を購入するという場合でも、賃貸で入居をするという場合でも、そこで発生するコストは他の買い物と比較して比べ物にならないほど高いものです。
都内23区で入居しようと思ったら、よほど古い共同住宅で探さない限りは7~10万円くらいの家賃は避けることができません。
しかし現在は不動産投資ブームの影響もあり、全体的に物件あまりの状態が続いています。
都心部の駅近など地の利だけで高値交渉ができる物件というのはごく限定的であり、ちょっと郊外であったり音や設備に問題がある物件は条件を交渉することで有利に話を進めることができます。
不動産オーナーにとって最も深刻なリスクは空き室リスク、それと家賃滞納リスクです。
空き室対策は特に重要で、全く入居者がいない状態が長く続くと、それだけ初期投資分の金額の回収が遅れ赤字運営期間が長引いてしまいます。
そこで入居をする人が確実に家賃を支払える立場である(勤務歴の長い正社員である場合や、堅い仕事についている両親から仕送りを受けている学生など)の場合には、多少の設備の不都合は交渉によって修繕をお願いすることができます。
あまりにも多額となる交渉の場合にははねられる可能性もありますが、「これさえあれば長く住むことができる」という条件を明確な根拠とともに伝えることができれば、入居の日までにそれを直してもらうこともできます。
意外に同じ物件内でも違う家賃で入っているという人も多いので、数千円程度の家賃交渉なら応じてもらえる可能性は高いでしょう。