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  3. 楽器演奏者が物件探しする時に確認すべきこと

楽器演奏可能物件の4つの種類

趣味で楽器の演奏をしている人にとっては、自室で演奏が許可されているかどうかはかなり重要なポイントになります。
普通一般的な賃貸では「楽器演奏不可」として規約が定められているものですが、中には特定のユーザー層の獲得を狙い、あえて楽器演奏可を売りにして入居者を募集しているケースもあります。

しかし同じ楽器演奏が許可されている物件であっても、その中身は一律ではなくどこまでのことが許可されているかが異なります。
楽器演奏ができる物件としては大きく4の種類があり、それぞれ「楽器防音物件」「楽器遮音物件」「楽器可物件」「楽器相談物件」というふうに呼ばれています。

これらの内容をごく簡単に説明すると、「楽器防音物件」が最も厳重な防音対策をしてある物件のことで、次いでそこまで厳重ではないものの一応の防音対策はしてあるというものが「楽器遮音物件」です。

「楽器可物件」と「楽器相談物件」は建物に特別な防音工事をしているわけではないものの、周辺の環境などによりよほど大きな音でなければ問題はないと判断される物件のことです。

違いがあるとすれば「楽器可物件」はあらかじめ演奏OKとなっているのに対し、「楽器相談物件」は入居時にあらかじめ楽器の演奏をどういうふうにするかを管理会社に申し出なければいけないという点です。

音が伝わりやすい住宅とそうでない住宅

まず防音工事について概要を説明していくと、工事の対象となるのは壁材や床材の振動対策です。
ダンスクラブやライブハウスに行ったことがある人ならすぐわかると思いますが、大きな音を出したときには壁や床など建物の構成建材がブルブルと振動しているのがわかります。

私達が感じる音というのは空気の振動によって起るものなので、建材の振動が起るとそこから周囲の空気が震えより大きな音を立てていきます。

そこで厳重な防音が必要となるスタジオや防音物件では固く振動が起こりにくい板材などを壁や床に埋め込むという工法がとられています。
ですが特段に防音工事をしなくても、もともと音が伝わりにくい物件とそうでない物件もあります。

一般的に住宅建築に使用される工法としては、木造、軽量鉄骨造、重量鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造といった種類があります。

このうち小規模住宅に使用される木造住宅は、振動が起こりやすくかつ壁や床が薄く作られているので、楽器演奏どころかテレビの音や会話の音までもが聞こえてしまいます。

しかし鉄骨鉄筋コンクリート造のような柱や壁に複数の建材が埋められている建物の場合、振動が抑えられ音が伝わりにくくなります。

木造アパートの場合には仮に「楽器相談物件」とあっても周囲からのクレームによりあとから禁止になってしまう可能性があります。