汚い部屋がもたらす人生への悪影響
汚い部屋というのは誰しも居心地が悪いものです。
それが自室となるとなおさらで、せっかく仕事が終わってくつろいでいるのに室内のいたるところにゴミが散見されているとなると、それだけでため息をつきたくなってしまいます。
掃除ができていない部屋のことを通称「汚部屋」と言ったりしますが、汚部屋に長く住んでいることでもたらされる住民への悪影響は想像以上のものです。
まず最も大きな悪影響としてアレルギーや体調の悪化をもたらすということがあります。
掃除が行き届いていない室内にはホコリがたまり、生ゴミを出さずに室内においているとハエやゴキブリなどの害虫が多く発生してしまいます。
そうした不衛生な状態は健康面に悪影響を直接的に与えるので、最近どうも具合が悪いと感じていたり、病気が長く回復しないというときには部屋の衛生面の問題が関係しているかもしれません。
また汚部屋で生ゴミが放置されていると、室内に悪臭がたまったままになるので、外に出ても体臭が生ゴミ臭くなってしまうということがあります。
人の嗅覚は長くその場にいると自然に慣れてしまうという特長があるので、あまりにも汚部屋にいすぎるとそもそも自分が臭いということに気づけなくなってしまうかもしれません。
部屋の汚さがそのままその人の心理状況を示しているという説も
心理内科の現場では、訪れる人の症状を測る一つのポイントとして部屋の汚さを尋ねることがよくあります。
特にそれまでは几帳面な性格をしており、しょっちゅう室内をキレイにしていたという人の部屋が急に汚くなってしまったというときには注意が必要です。
認知症などといった別の症状にも言えることですが、精神面に悪い傾向が出始めるとほぼ確実に身の回りのことが管理できなくなってしまいます。
逆に考えると室内が乱雑になってきたらそれは自分の精神がよくない方向に流れてきているということなので、それを断ち切るために思い切って清掃をしてみるということが勧められます。
少し象徴的な話になってしまいますが、部屋が散らかるということは本来捨てるべきことを判断して行動することができなくなっているということです。
本来ならばさっさと捨てるべきの未練や後悔、嫉妬ややっかみということに心が囚われていないかどうか、少し自分を振り返って考えてみてください。
もし自分でその悪い思考の流れを変えることができないと感じたなら、まずは室内の清掃からしてみてください。
一心不乱に清掃をするということは、お寺の修行にも行われている精神浄化の効果的な手段です。
人生の幸福度と部屋の清掃具合は直結しているのだということを少し意識するようになるだけで、かなり毎日の心がけが変わってきます。